02_歳時記

こんばんは。

 

前回は「和菓子屋さんの作った洋菓子」を扱いましたので、今回は「定番のお土産」かつ「和菓子」でいこうと思います。

伊勢のお土産、と聞いて、こちらはおそらくド定番中の定番でしょう。

 

株式会社 赤福さんの「赤福

 

皆さんそれぞれに思い出がおありかと思いますが、私は祖父が秋のお出掛けに行った際、必ず買ってきてくれたという印象が強いです。別にお伊勢参りに行ったわけじゃないのに……

なにごとも「定番」が好きな人だったので、お土産といったら他の選択肢がなかったのでしょうね。そんな面白みのないことも、故人となってから懐かしく思い出されるので不思議なものです。

 

さて、早速しおりを……読む前に、ちょっと赤福(会社)のお勉強をしようと思いましてホームページにお邪魔してきました。そうしたら、赤福(餅)の詳しい解説が載っていました。

赤福の形はご存知の通り、白い餅の上にたっぷりのこしあんがきれいな流線型を描いて乗っているものですね。折箱を開いた途端、広がるあんこの波。あれ、なんで餅の下側にもあんこがないんだろう……というのがやや不満だったのですが、そこにも意味はあるらしいです。以下、ホームページより引用しました。

形は伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどり、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表しています。名は「赤心慶福(せきしんけいふく)」の言葉から二文字いただき、「赤福」と名付けたと言い伝えられております。

「土産『折箱(おりばこ)』」商品紹介ページより

いけませんね……古くからあるお菓子って、侮ってかかると痛い目を見ますね。いえ別に侮ってなかったんだけど。そういう大事な情報はしおりに書いてくださいよー! 

ちなみに「赤心慶福」を広辞苑で調べたら、四字熟語としては載っていませんでした。「赤心」は「うそいつわりのない心。まごころ。誠意。赤誠。丹心。」で、「慶福」は「めでたいこと。幸い。喜び。」とありましたので、「心からのよろこび」という意味になるのでしょうか。土産を贈られる相手の健康や無事をよろこぶ……なんとも心温まる名称です。

神宮でお参りをする前に、五十鈴川で手や口をすすぎますので、もしかしたら、お伊勢へ行けなかった方々にも、この川の恵みを授かってくださいね、という意味になるのかもしれません。

いやあ、調べてみるもんだ……なんか忘れてるな?

 

しおりですね、はい。

私の手元にありますしおりは、「伊勢だより」というタイトルで、舞楽「陵王」に使う面の解説がなされていました。(表には舞楽面の絵が三種類。元は版画なのだそうです、温かみを感じますね。)そして「一月十四日 各位 店主敬白」と結びます。

……どういうことかわかります?

こちらのしおり、毎日入ってる内容が変わるんですよ。今日赤福さんへお伺いしても、一月十四日のしおりは頂けないのです。(※絵はがきとしては売っておられるとのこと。)これが他に365種類もあるというんですからすごい。思わず蒐集癖を刺激されそうになりますが、毎日赤福を食べるわけにもいかないので、その日限りの大事ないただきものとして取っておきます。

お土産って、旅行に行かなかった人にも旅先のかおりをお裾分けするという意味合いがありますけど、毎日違うおたよりを入れてくださるお土産屋さんの心遣いはそれに沿っていて、まさに「おもてなし」だなあと嬉しくなります。

子供の頃の思い出に、なぜこれを読んだ記憶がないのでしょう。「伊勢だより」の字面には見覚えがあるんだけども……きっと花より団子だったのですね……

 

赤福さんのホームページ、こんな商品があるの!とか、そんなことも載せてるの!とか、個人的にはまだまだ読みたいところが沢山ありますので、癒されたい時にまたお邪魔したいと思います。あと、今度伊勢方面へ行ったときは、自分用に赤福探します。

それでは、また。