03_長い旅

梅雨ですね……。

たまに、夏か!?って日もありますが、だいたい梅雨だと思います。

 

個人的には、好きな季節なんです。雨が好きなので。

雨の音、匂い、風、空気、くるくると変わる雲のかたち。昼間なのに暗くて、夜なのに明るくひかる。非日常を運んでくる雨雲を、待ちわびるような子供でした。

ただ最近は、災害のニュースを頻繁に聞くので、楽しい思いばかりはできませんけれどね……。

 

天気の悪い日は、家の中で楽しめる趣味を。

今回のしおりをきっかけに、ことばの船で世界を半周ほどの旅ができましたよ。

 

先日スーパーで出会ったのが

 

株式会社和晃 さんの 「京えくぼ(いちご)」

 

レアクッキー、という名前に惹かれて、つい買ってきてしまいました。

だってクッキーなのに「とろける」って言われたら気になるじゃないですか。レアだから早く食べないと勿体ないじゃないですか。

と言い訳をしつつ美味しく頂きまして、本題は付属のしおりです。

 

名刺より一回り大きいくらいの紙にカラーの両面印刷。

表に筆字で「京えくぼ」、抹茶色の枠と抹茶味の京えくぼの写真。

社名の横にウェブサイトとインスタのQRコードが載ってるのが今っぽいですね。わりと新しめの会社さんなのでしょうか。今回はちゃんと「しおり」そのものを読もうと思うので、会社さんを深掘りはしません、あしからず。

 

そして裏面に、私の好きな「由来」「想い」が書かれてありました……!

どうやらスペイン起源のお菓子「ポルポローネ」を元に作った和風洋菓子、のようです。それらを紹介する文が、「~でございます」「おつくり致しました」とくるのですから、お菓子の味わいともども、しっとりとした風情があっていいですね。

「つくる」が漢字じゃなくてひらがなというのがまた色っぽい。ひらがなって独特の色気がありますよね……とうっとりする私も、高校時代は漢字を沢山使うのがカッコいい、とか思ってました。あれが高二病?というやつだったのかもしれません。

 

ところで、わたくし不勉強で、本物のポルポローネなるものがよくわかりません。かといって手元に「西洋菓子大辞典」なぞもなく……仕方なくインターネットの力を借りました。わかったことは、

・スペイン、アンダルシア地方発祥(さらに原型は中東起源だという情報も…?)

・ほろほろと崩れやすいのが特徴

・食べると幸せになる?願いが叶う?

・世界各地に派生したお菓子がある(例、フランスのブールドネージュ、フィリピンのポルボロン

スペイン語で”polvo”は”塵、粉”の意味

ということでした。幸せになる→笑顔になる→「えくぼ」なんですね!こういう遠回しな表現、好きです。

 

調べた中でも私が気になったのは最後のところ。polvoが塵、ならば語源は何なの?ほかのラテン語に似たような言葉はあるの?と、ネットと電子辞書をサーフィン。

・語源はやはりラテン語で「粉、細かい粉」

・類似の単語として、フランス語に”poudre(プードル)”

なるほど、アーモンド・プードル!

ちなみにポルポローネのレシピを調べたら、ずばりアーモンドプードルを使うのだそうです。スペイン語ではpolvo de almendras(Google翻訳)……まんまかい!

この先なにか見つけられないかと、ぷーどる、ぷーどろ……と口の中で転がしていたら、そうか「パウダー」だ!と、聞き慣れた単語にぶち当たりました。私には新発見だったのに、広辞苑さんにはさらっと書いてあるなんて……お恥ずかしい。

(えっもしや犬のプードルにも関係が?と安直に考えたら、フランスからドイツへ寄り道をする羽目になりました。寄り道の記録は別に立てようかな……)

 

なぞと言っているうちに、いつのまにやらユーラシア大陸をひと跳びしてしまいましたね。ここをゴールということにして、また次回の旅でお会いいたしましょう。それでは。